2012年2月18日土曜日

龍大政策の「学生像」

的場 信敬

学生の皆さんの最大の懸案事項であった(はず)学期末試験も2月の初旬までにすべて終了し、記念すべき龍谷大学政策学部=「龍谷政策」の1年目にひとつの区切りがつきました。そこで今回は、この1年間のふりかえりとして、龍谷政策の「学生像」について個人的に思うことを書いていきたいと思います。

当たり前ですが、大学教員にとって「どのような学生が入学してくるのか」、というのは年度当初の大きな関心事です。なにかしらの形でその後4年間も付き合っていきますからね。今年度は学部開設初年度だったので、「政策学部の学生像」のイメージがまるでなく、先生方も興味津々だったようです。うちの学部は、その土台となった法学部政治学科から異動されて来た先生方が多くいらっしゃいますので、年度当初は「法学部生と比べて~」という声をよく耳にしました。概して、先生方の感想は「良くも悪くも元気で活発」という感じだったでしょうか。今1年間を振り返って「言い得て妙」だな、という感じです。「悪くも」は、まあ改善していけば良いのでヨシとしましょう。

今年度の学生をもう少し細かくグループ化すると、これは完全な主観ですが次の3つくらいに分けることができそうです:

1)「とにかくお祭り好きで活発に学部イベントや地域社会に関わっていくぜ」グループ

2)「静かで目立たずオタクっぽいけど実は社会のことはしっかりと考えているぜ」グループ

3)「今はまだ何して良いかわからんけど何かのきっかけで一気にブレイクするんだぜ(自覚がない人含む)」グループ

面白いのは、これらのグループの人たちが、バラバラに存在せずに結構一緒に仲良くやっていることです。ゼミ活動もそうですし、龍谷政策が課外活動として地域と連携して行っている「Ryu-SEI GAP」の取り組みにも、活発な1のグループだけでなく、他の2つのグループに属しそうな人も集まっています。それぞれ特徴はありますが、何かしらの「エネルギー感」というのは共通して感じてきました(「エネルギー感」という日本語は文章を扱う研究者としてはあまり良くない日本語ですね。すみません)。

そういうわけで、意外と「まるっきり何も考えてないよ、なんとかなるでしょ」グループは少ないように感じています。たとえ積極的にゼミや講義に参加しなくても、課外でなにもやっていなくても、「何かしなきゃ、なんとかしなきゃ」と精神的にあがいている子は多いように思います。もちろん、そこからひとつ踏み出す努力はしていく必要はあるのですが、何も考えていないのとは違う。そこを変えていく「きっかけ」をいかに提示してあげるのかは、教員の役目でもあるので責任を感じるところです。

ただ、やはりこの1年間で、とてもがんばった学生や何かしらのきっかけをつかんだ学生と、必ずしもそうでなかった学生との差はかなり大きくついたとも感じています。当初、発言や課題がかなりイマイチだった学生が、何かのきっかけでみるみる内に成長を遂げていくのを何人も見て、教育者として無上の喜びを感じさせてもらいましたが、その一方で、まだ何も見つからず一歩が踏み出せない学生も多く、彼らには「何かしらのきっかけ」を与えられないことを申し訳なくも思います。まだ大学生活は3年あるので、自分のペースであせらずじっくりと頑張ってほしいですね。

全体として言えることは、やはり「エネルギー感」と高い「ポテンシャル」でしょうか。エネルギー感は「躍動感」、ポテンシャルは「期待感」と言い換えても良いかもしれません。今の1回生は、これから卒業までずっと最上級生です(一期生ですから)。彼らが、これからどのように下級生をリードし、地域社会とつながり、龍谷政策を形作っていってくれるのか、とても楽しみです。そう、この「楽しみ≒期待感」を持たせてくれるというのが、もうひとつの大きな特徴なのかな、と思います。粗削りのところだらけですが何かスケールの大きさを感じさせる、と言ったら褒めすぎかな?

いずれにしても、龍谷政策の学生像や学部としてのカラーといったものは、学生ひとりひとりの特徴でもってこれから作り上げていくものです。これからも教員陣を驚かせるような多彩さで龍谷政策を彩ってくれることを期待しています。これを読んでくれている受験生の皆さんにも、ぜひ自分自身を鮮やかに彩りつつ、龍谷政策のカラーづくりに参加して頂ければと思います。お待ちしています!!