2016年3月9日水曜日

卒業生を送り出すにあたって想う、政策学部




奥野恒久(政策学部)

 先日、2年前にコミュニケーション・ワークショップ(CWS)演習を受け持っていた、その時の演習生たちとビールを飲みに行った。「おいしいビールを一緒したいです」と声をかけてくれた学生たちは、317日に卒業する。昨年もこの時期に思ったのだが、就職活動などを終えて、社会に出る心構えを持ち出したこの時期の学生たちは、ずいぶん成長して見えるし、話してくれる迷いを含む言葉は重い。ときにこちらは、酔っぱらうしかない。もう一つ思うことは、政策学部はいい若者を育てているな、ということである。基礎演習やCWS演習、合同討論会、政策実践・探究演習、Ryu-SEI GAPなどなど、皆と一緒に作業をする経験を積んだためであろう。他者と一緒に喜べることが自身の一層の喜びとなる、そんな体験が他者との接し方にもあらわれてきているように思う。他者に対する視点や配慮を、「教え込む」のではなく実地のなかで促す政策学部の教育は、これからも大切にされるべきであろう。もちろん、「なんとなくまとまる」「かりそめの絆」との違いに自覚的でありながらである。

 ビールを飲む会は、これからも「年に12回開くか」「今度は、○○さんにも声をかけよう」となり、「龍大政策学部、おいしいビールを飲む会」なる会が結成された。考えてみると私は、日本国憲法21条が保障する権利を行使して、「北海道のおいしいものを京都で広める会」や、「龍大・羊の会」、「龍大・山科の会」なる私的結社を結成しては、活動目的の達成には精を出さず、ただ飲み会だけを開いている。今回の会は、事務局的な役割を昨年度卒業し現在京都市内で勤務している角本知史さんと、今年3月に卒業し4月から滋賀県内で勤める九里伊吹さん、という実に頼りになる二人が担ってくれるので、活動目的は達成されるであろう。「おいしいビルを飲む会」の活動目的? もちろん、政策学部にご縁のある人(在学生、卒業生、教職員問わず)と、おいしいビールを飲むことである。今度は、夏にでも開催したい。参加ご希望の方、私・奥野までお問い合わせいただきたい。

 ともあれ、この3月に卒業される皆さん、卒業おめでとう。巣立たれるということは、「帰る場所」が増えるということ。自分を励ましてくれたり、自分を落ち着かせてくれる、「帰る場所」。そんな場所として、龍谷大学を思ってくれるとスタッフとして大変嬉しい。