2012年2月21日火曜日

武漢と中国の食文化

北川 秀樹



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 中国湖北省の武漢に、5月に開催予定の流域環境ガバナンスの日中共同ワークショップに関する
打ち合わせのため、先週出張しました。武漢は長江の水運の要衝で、多くの湖を抱える都市であり、
孫文が清朝を打倒した辛亥革命の発祥地でもあります。また、当地にある武漢大学は全国の環境
法研究の中心地となっています。ワークショップの中国側主催者である湖北経済学院(学生総数3万
人)の呂忠梅学長は、2010年に京都で開催した中国環境法執行に関する日中国際シンポジウムに
招へい研究者であり、学者でありながら高級人民法院の裁判官も務めた異色の経歴を持っています。

 学院の最大の特色は、観光(旅行とレストラン)学部です。中国の第一級調理師を教授として迎え、酒、
料理、茶、もてなしの態度などを総合的、かつ優雅に教育しています。ここの学生は格調高い教育を受
け、卒業生は優雅さを兼ね備えているため、観光業界だけでなく一般会社からも引き合いが多いそうで
す。我々も学長の解説のもと、マオタイ酒をいただきながら巨匠の作った料理を賞味しました。五千年の
歴史に培われた、食文化を大切にする中国文化の神髄に触れ、その奥深さに感動しました。

 なお、日本の法学教育と学生の最近の学習態度、授業風景等について講演をしました。学生の携帯依
存症は中国でも大きな問題になっているようであり、これに触れたところ聞いていた3年の学生からは大き
な笑いが沸き起こりました。暖房のない極寒のなかでも真剣に聴講する学生の熱心さが印象に残りました。