2015年12月16日水曜日

12/19(土)、20(日) 「学生版市民メディフェス」を開催します!

 こんにちは、松浦です。 

 2003年、日本最初のNPO放送局「京都コミュニティ放送」が誕生しました。 京都の町衆、NPO、主婦、大学教員、いろいろな方々が何度も話し合いを重ね た、市民活動を伝える市民自身のラジオ放送です。その開局の様子は全国から注 目され、「メディアの担い手は市民自身だ」という自覚が広がりました。

 同じ頃、そうした意識を共有した人々が集まり、「全国市民メディア交流集 会」を名古屋で初めて開催しました。YoutubeやFacebookなど、ネットを介した コミュニケーションが拡大し、個人の発信が時にはマスメディアを上回る勢い で、影響力を持つ可能性が高まってきていたのです。

 この関心の高まりを背景に、「全国市民メディア交流集会」は、その後も米 子、熊本、横浜、札幌、京都、東京、武蔵野、仙台、上越、大阪と各地から開催 の手が上がり、途中「市民メディフェス」と呼び名を変えて、2014年の刈谷大会 まで毎年盛大に開催され12回続きました。

 2008年の洞爺湖サミットの直後には、世界各地から集結した市民ジャーナリス トの活躍が京都メディフェスで報告され、フランスとドイツをSkyoeでつなぎ、 市民メディアの国際的な連帯の可能性を確かめました。

 2009年の政権交代直後の東京大会では、総務副大臣が「公共放送、商業放送に 継ぐ第三のセクターを認識する」との見解を示し、参加者全員が市民メディアの 存在とコミュニケーションの権利を確認する瞬間がありました。

 また2011年は前年度に開催を約束していた仙台の人々が一度は断念しながら、 被災地の市民メディアがいかに人々を力づけているかを知らせたいと、せんだい メディアテークでメディフェスを開いてくださったことも忘れられません。東北 に生まれた臨時災害放送局を代表して高橋厚さんが語ってくださった山元町のり んごラジオには、メディフェスのあと、多くの参加者が応援に駆け付けました。


 メディフェスは、市民メディアの活躍に光をあて続けてきた12年間の歴史で す。ところが今年、第13回大会には開催立候補がありませんでした。戦後70年と いう意義深い年にどこからも手が上がらなかったのです。そこで、龍谷大学の学 生たちがバトンを受け取り、初の学生主催で次の開催地が決まるまでを「つな ぐ」ことにしたのです。


 今週末、12月19日(土)深草キャンパス和顔館B201で、20日(日)は龍谷大 学アバンティ響都ホールで、「学生版市民メディフェス2015」を開催します。政 策学部の学生が中心となり、法学研究科、経済学部、文学部の学生たちが開催ま での企画運営を担い、全国から高校、大学、大学院、留学生ら、若い世代が参加 申し込みをしてくれました。

 テーマは、戦争、被災地、原発、ヘイトスピーチ、中国残留孤児、等広範囲の社会派ドキュメンタリーが公募で集まりました。完成したばかりの最新 作、各地のコンテスト等で受賞歴のあるもの等、見応えたっぷりです。
上映自体よりも観客と制作者とのディスカッションを重視したプログラムですの で、ぜひみなさまのご参加をお待ちします。

 19日は特別ゲストに、元伏見区在住の小山帥人さんをお迎えします。ベトナム 戦争時、鶴見俊輔さんを含む約1000人の市民が戦地から脱走した米兵を自宅にか くまいました。秘密裡に行われたこの脱走の顛末は、これまであまり語られてき ませんでしたが、小山さんは「メモは取るなと言われたが撮影するなとは言われ ていない」と、脱走兵の映像を撮りメッセージを録音していたのです。1960年代 の反戦運動を紹介くださいます。

 20日は、「メディフェス的女子会」。市民メディアの活動の広がりには「上映 会」が重要だと早くから地域の上映会を育ててこられた下之坊修子さん、農村再 生映画の監督の長岡野亜さん、SEALDsKANSAIの長井優希乃さん、運営委員の西 村紗帆さんと木村夏奈さんが、女性とメディアについて語ります。

 また、今年ガーナで開催された世界のコミュニティラジオの国際大会から、東 北被災地から、神戸から、舞鶴から、京都コミュニティ放送から、そして、戦後 70年をおじいおばあが語り継ぐ沖縄のFMよみたんから、ラジオ運営の意義とご苦 労についてお聞きします。

 
 昨年から町家シネマでマイクを担ってきた学生たちが会場でお待ちします。総 合司会は政策学部第一回卒業生で、NHKアナウンサーの西村唯さんです。町家 シネマで地域のみなさんに鍛えていただいた司会度胸を試します。
 また2日目は、元NHKアナウンサー堀潤さん、元TBSキャスター下村健一 さん、そして、これまでのメディフェス開催地の先輩たちが若い世代の映像を応 援に全国からかけつけます。

 ラジオや映像、新聞などメディアを駆使する学生たちの手作りのメディフェ ス、龍谷大学でどうぞ交流ください。そして、戦後70年の年の暮れ、丁々発 止、スリリングな意見交換をお楽しみください。


学生版市民メディフェスのウエブサイト http://www.medifes.net/

Facebook https://www.facebook.com/medifes2015/