2011年9月23日金曜日

社会言語科学会が開催されました

村田 和代

 9月17日(土)18日(日)に、第28回社会言語科学会大会が龍谷大学深草キャンパスで開催されました。2日間の大会は、口頭発表24件、ポスター発表35件に加えて、講演会、シンポジウムともりだくさんのプログラムで進行されました。2日間で、250名を超える参加者があり、大盛会となりました。 


35件のポスターセッションでは活発な質疑応答が行われていました


 同日、深草キャンパスで、社会言語科学会大会を含む3つの学会が同時開催となり、混乱を心配していたのですが、お手伝いいただいた学生のみなさんのおかげで、スムースに進めることができました。講演会やシンポジウムは、顕真館の講堂(礼拝堂)で開催しました。天井の美しいシャンデリア、重厚な雰囲気、建物正面の陶板画等、龍谷大学らしい場所ということで、参加いただいた方にとても喜んでいただくことができました。

 招待講演では、「話者の絶えた樺太アイヌ語―その終焉と再生の可能性」と題して、消滅の危機にさらされている言語をいかに守っていくかについて 講演者の村崎恭子先生(元横浜国立大学教授)の熱い思いのこもったお話をうかがうことができました。 また、シンポジウムでは、「ウェルフェア・リングイスティクスの可能性について考える―調査における研究者と当該コミュニティとの関係性という観点から―」というテーマで、「ろう者の言語」「介護施設のコミュニケーション」「言語生活研究」についてパネリストから発表があり、その後活発なディスカッションが行われました。 

シンポジウムでは手話通訳がつきました




 社会言語学は、ことばやコミュニケーションを社会との関わり合いの中でとらえ、そこに存在する課題を解明することを目指す学問領域です。ですので、必然的に隣接する分野との学際的な研究が必要です。たとえば、現在私は「話し合い談話」の研究を進めています。特に、「地域活性化」や「地域再生」を進める上で、どのような「話し合い」が効果的か、また「話し合い」がまちづくりにどのような役割や機能を担うのかに興味を持っています。 この研究は、まちづくりについて素人である社会言語学研究者だけで進めることはできません。まちづくりや、政策、組織論等を専門とする研究者の方々とのパートナーシップが必要となってきます。

 龍谷大学では、各学部から毎年一つの学会の全国大会を補助を得て開催することができます。今年度開設一年目の政策学部から、社会言語科学会大会を開催させていただき、感謝いたします。今回学会をお手伝いいただいた、政策学研究科の院生の方々から、「社会言語学っておもしろいですね」「もっと勉強してみたいです」といった嬉しいお言葉をいただきました。今は、社会言語科学会の学会員は私一人ですが、将来は、政策学の観点からコミュニケーションの研究に興味をもった学生さんたちと一緒に研究ができればいいなぁ(そして社会言語科学会で発表できればいいなぁ)・・と思います。 

 最後になりましたが、学会をお手伝いいただいたみなさんどうもありがとうございました。 それから、学会の懇親会で、心のこもったごあいさつをいただいた白石学部長に心よりお礼申し上げます。「学際的な研究を積極的に推進されておられていい学部ですね」「若くてかっこいい学部長ですね!」とお褒めのおとばをたくさん頂きました。