2012年4月14日土曜日

日常のための非日常

清水 万由子

いよいよ2012年度がスタートしました。

新入生のみなさん、入学おめでとうございます。
2回生のみなさん、進級おめでとうございます。

私もようやく今年度から、政策学部の仲間入りをさせていただきます。
ホームページやパンフレットには載っているのに、いない…というユーレイ教員(?)を脱して、いよいよ政策学部のみなさんに会えるのがとても楽しみです。
10月に正式に着任予定ですが、前期は非常勤で基礎演習と環境政策総論を担当します。
一年間、政策学部で楽しく学びましょう!

春は別れと出会いの季節。卒業式、入学式、入社式といった「○○式」が続きます。
「○○式」は、ほかにも成人式、結婚式、金(銀)婚式、そして葬式などがありますよね。
人生に様々な節目をつけるこれらの儀式は、これまでにお世話になった方々への感謝、あるいは新たな人生のステージへの決意を示すものです。
学生の皆さんは、まだ七五三、入学式、卒業式くらいしか経験していない人が多いかもしれませんね。

でも、正月、節分、ひな祭り、お彼岸・・・といった年中行事は、皆さんもう何度も経験していると思います。
クリスマスやバレンタインデーなど欧米の慣習もすっかり(日本流に)定着し、日本人の懐の深さ(いい加減さ?)が発揮されています。

こういった儀式や行事は、日常生活やその人のライフステージに節目をつくり、気持ちをリセットしたり、本人に新しい社会的な役割を付与したりするものです。
日常生活の中に「非日常」をつくることで、いつもは考える余裕のないことを考え、周囲の人々に感謝の気持ちを伝え、神様への祈りを捧げる機会にもなります。
「非日常」があるから、「日常」を支えてくれるもののありがたさや尊さがわかるのです。

しかし・・・
おせち料理はデパートやネットで簡単に買えますし、統一のメッセージが印刷された年賀状も珍しくありません。
一人ひとりが忙しい中で時間を割いて、心を込めて準備するものでも、商品として売買され、消費されるものになっているようにも思います。

人間が長い時間をかけてつくりあげてきた文化には、それぞれに意味があります。
儀式や行事の意味ってなんだろう?
形だけの儀式に振り回されるなんて、バカバカしい!!

人間は、新しい状況に合わせて、新しい文化を創っていくことができます。
季節の節目。人生の節目。
「日常」を見つめなおす「非日常」の過ごし方を、自分なりに考えてみるのもよいかもしれません。