2010年11月25日木曜日

パリとテッサロニキ(ギリシャ)に行ってきました

石田 徹




このブログでは、皆さん外国に行かれた時の話が多いですが、私の今回の話も外国ネタです。

政策学部、政策学研究科は「地域公共人材」を養成することを教育目標に定めていますが、地域にきちんと足場をおくことはもちろんですが、同時に地球的な視野で幅広く物事を考えることも「地域公共人材」として身につけるべき資質です。そういう意味から、政策学部、政策学研究科の教員は研究の場を国内のみならず国際的にも展開することを重視しています。外国ネタが多いのはそういう理由からです。

さて、10月31日(日)から11月6日(土)まで1週間の日程でフランスのパリとギリシャのテッサロニキに行ってきました。今回の訪欧は、12月10日に龍谷大学で開催される、LORC(地域人材・公共政策開発オープンリサーチセンター)と地域公共人材大学連携事業共催の国際シンポジウムの打合せのためでした。LORCセンター長の白石先生と連携事業RAの大石さんの3人で訪れました。 シンポジウムのテーマは「生涯教育社会実現の向けた職能教育と高等教育の役割について」です。日本の大学、特にその文系学部では、学生が卒業後につく仕事に関わる職業能力のための教育はあまり重視されてきませんでした。職業能力開発は企業が採用後に行うことが当たり前とされていたからです。しかし昨今の就職氷河期の再来ともいうべき就職難の状況に直面して、あらためて高等教育と職業教育のあり方が問い直されるようになってきています。シンポジウムでは、そういう問題にはやくから取り組んでいるヨーロッパの事例について報告してもらい、日本の高等教育と職業教育の今後のあり方に関して活発に議論することになっています。

パリでは、フランス国立工芸院(CNAM)を訪れ、シンポジウムで報告される  Patrick Werquinさんと打合せをするともに、Anne-Marie Charraudさんからフランスにおける職業教育訓練の現状について話をうかがいました。CNAMとは成人教育と生涯教育に特化した国立高等教育機関です。

CNAM


ギリシャのテッサロニキでは、欧州職業訓練開発センター(CEDEFOP)を訪れ、こちらもシンポジウムで報告されるIsabelle Le Mouillerさんと打合せをするともに、彼女とTorsten DunkelさんにEUの職業教育訓練と欧州共通資格枠組の現状について話してもらいました。


CEDEFOP


という具合にハードスケジュールで日程をこなしたのですが、テッサロニキはもちろんギリシャもはじめてでしたので、面談の合間を縫って、テッサロニキ市街を2時間ほどかけて回ってきました。この街は、アテネに次ぐギリシャ第2の都市で、マケドニア王アレクサンドロス大王によって創建され、東ローマ帝国時代に建てられた教会や城壁が多数残され、それらビザンティン様式の建築群がユネスコ世界遺産に登録されています。



ホワイトタワー


アギア・ソフィア聖堂