2011年4月1日金曜日

入学おめでとう 共にチャレンジしよう

白石 克孝

2011年4月1日、政策学部・政策学研究科の入学式がとりおこなわれました。新入生の皆さんにとって、そして龍谷大学にとって、政策学部・政策学研究科という新しいチャレンジが始まる春となりました。

政策学部・政策学研究科の目標のひとつに、「地域公共人材になろう」というものがあります。地域や世界のさまざまな課題を、行政や企業の経済活動だけにまかせるのではなく、NPOやNGO、さまざまな組織や活動が連携して、立ち向かっていくことが求められています。学生だけでなく、教職員も含めて、皆がそれらの課題に対して、職業の場で、生活の場で、社会活動の場で、役割を担っていくことができるようなになっていこうともらいたいと思っています。

「地域公共人材」に何よりも必要とされるのは、スキル(技能)というよりも、マインドすなわち「想い」や「志」といったものではないでしょうか。自分の未来を切り拓くことと、社会の未来を切り拓くこととを、少しでも重ねようとするようなマインドが必要です。家族に対することも含めて、「他者の役に立つ」ということの現代的な意味についても、政策学部で皆さんは学ぶことになるでしょう。その際には、情報をキャッチ・分析し、自らの価値観を構築するという、皆さん自身の営みがなくては、「何が役に立つ」のかに確信を持つことはできないでしょう。

大震災の発生による未曾有の大被害という、とてもとても悲しい出来事が起きてしまいました。大きな災厄を被っている人々についての報道に接して、ショックを受け、身内や友人の心配をし、少しでも多くの人が助かってほしいという気持ちを抱き、被災された方々の苦しみに思いをはせ、自分にも何かできることはないか、皆さんそう思われたのではないでしょうか。

かつて阪神淡路大震災が「ボランティア元年」とよばれる社会の変化を生みだし、NPO法人をつくることができる法制度がつくられることに結びついたように、必ず今回の震災の体験が日本のあり方や人々の生き方に大きな変化をもたらすに違いありません。もっと正確に言えば、大きな変化をもたらすことが私たちの責務となったと受け止めなくてはいけない、後世から「**元年」とよばれるようなエポックとしなくてはならないということです。

新入生の皆さんにとっても、私たち教職員にとっても、新しい学部・研究科でのスタートの年、震災を受けて日本のあり方を大きく変えることになった年、2つの意味で生涯忘れることのできない2011年にしたいと決意しています。パートナーとして共にチャレンジしましょう。