2011年7月11日月曜日

一歩外に飛び出してみよう

村田 和代

英国マンチェスターに行ってきました。マンチェスターは、ロンドンから電車で約2時間、イングランドの北西部の都市です。歴史的には、産業革命で中心的役割を果たし工業都市として発展したたことで知られています。現在では、商業・大学や専門学校・メディア・芸術・大衆文化などの北部の中心地で、ロンドンに次ぐイギリス第2の世界都市として評価されています。(都市やまちづくりの専門ではないので町の説明は簡単にして・・)

 国際語用論学会(12th International Pragmatic Conference) に参加してきました。会員数が1200名以上(60カ国以上)と非常に大きな言語学会で、大会も1週間にわたって開催されました。学会では、日本国内、国外の研究者による『日本の職場における言語使用によるアイデンティティ構築(Linguistic identity construction in Japanese workplace)』というテーマのパネルで発表してきました。私は、日本のビジネスミーティングでユーモアの使用やユーモアに対する返答がどのようにアイデンティティ構築にかかわっているかについて話しました。

 国際学会に参加すると、最先端の研究や研究のトレンドがわかったり、論文や本で有名な先生方のお話が聞けたり、英語でのプレゼンテーションの方法が勉強できたり、自分自身の研究テーマに近いテーマを研究している方々と意見交換できたり・・・と刺激を受けることばかりです。また自分自身が発表することで、いろいろな方からコメントをいただけるし、話すことで自分で気付かなかったことが見えてきたり、新しいアイディアがわいてきたりします。

 といった堅苦しいこと以外にも、日常とはかけ離れた場所に出ることで、驚きや発見の連続です。たとえば・・・ 「シティーから少し車で走るだけで、こんなきれいな風景があるんだ」「日本だったら店員さんもっと親切なのになぁ」「イギリスって一日に四季があると言われてるけど、本当なんだ~」(昼間は半袖でちょうどなのに、朝晩は長袖+スプリングコートでも寒いくらいでした)「レストランで何頼んでもサイズ大きいよ~」(today’s soupのsmallを頼んだはずなんだけど、丼みたいな器になみなみと出てくるし、アイスクリームのsmallを頼むと、日本のパフェサイズのが出てきたり)「バスに乗るのってどうするんだろ?」(乗るときにお金払うの?それとも降りるとき?降りるときはどうして知らせたらいいの?なぜだかマンチェスターでは同じ区間を乗っているのに、バスの番号によって値段が違う。これってどうして?)「わっ!イギリスでもKittyちゃんが人気なんだ!」(ご当地kittyちゃん発見!)「あれ?お湯がでないよ~」(ホテルに宿泊客が多かったのか、夜おふろに入ろうと思うと、水しか出ません。フロントに聞くと、これからボイラーをたくから3~4時間待ってね・・だって)(スーパーで)「コインどれがどれかわからないよ~。Take them!」(思わずおさいふをあけて、店員さんに必要なだけ取ってもらいました) 

 そしてもう一つ。これが一番大切なことだなぁ・・といつも思うのですが、日常から離れることで、普段考えなかったことを考えたり、違った自分が見えてきたりします。

 ・・・というわけで、驚きや発見とともに、元気と勇気をもらって帰ってきました。

 若いみなさんへ。勇気を出して、日常から一歩外に出てみましょう。海外に出ることばかりが一歩外にでることではありません。いつもとは違う何かに挑戦してみる、いつもとは違う場所に行ってみる、いつも話している人とは違う人に話しかけてみる etc. etc. 違う何かが見えてくるはず。そして違う自分が見えてくるはず。



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